〜 Sakuraシャード誕生 〜

 

私はこの誕生秘話には直接関わっていないのでちょっと文章が硬いですが、

記録のつもりでここに記します。

 

Sakuraシャード誕生には「平和祈願碑建設計画」イベント(2002年10月)が深く関わっています。

また、UO5周年プロジェクトの一環でもあるようです。

「平和祈願碑建設計画」は日本の一般6シャード(Asuka、Wakoku、Izumo、Yamato、Mizuho、Hokuto)で

同時進行したイベントのことで、プレイヤーの意見や募金状況で

各シャードに建設される建物の外観や名前が変わるというものでした。

 

平和祈願碑の建設自体は順調に進んでいました。

その傍らで平和祈願碑の建築を推進していた、Wakokuのフィニガン市長が行方不明になりました。

 

同じく建築に携わっていたクリフォード市長は「a black rock Felucca moonstone」というアイテムを使い

トランメルとフェルッカを繋げて、ミナクス軍を送り込もうと企んでいました。

この空間を捻じ曲げる行為は Izumoと Mizuhoをも巻き込み

3つのシャード(シャード=「かけら」の意)が消滅の危機にひんしました。

この危機は、平和祈願碑の建設現場の地面に入った亀裂という形でおもてに出ました。

注:UOの世界は空間に浮かんだ「かけら」により成り立っています。ですから、
ロストランドやイルシュナーといった丸くない壁に囲まれた世界と繋がっていたり、
トランメルとフエルッカというようなファセット(境界面)があるのです。

そして現在は使用されていませんがムーンストーン自体は
ファセット間を移動するために用いられていたアイテムです。

 

行方不明のフィニガン市長かどうかは分かりませんが、Wakokuで首都ブリタニアの銀行まえに

「ク...クリフォードが...ぐは」とメッセージを残した青白く光る魔法使いの骸骨が転がりました。

そして、「Sakura」なる人物が現れました。(どこかからか遣わされたらしい)

Sakuraさん

 

このSakuraさんの願いに応えたWakoku、Izumoの有志により、ダスタードにてクリフォード市長は倒され、

Sakuraさんは亀裂を塞ぐために桜の木に姿を変えたのでした。

注:クリフォード市長はダスタードに「a black rock Felucca moonstone」を隠しもっていました。

 

その際に Sakuraさんは記念品としてプレイヤーに何か下さいと言い、Izumoで鍛冶屋を営む

Mr.Crowさんがハサミと鍛冶用のハンマーをあげたのだそうです。(他の方もあげたようです)

そして、翌日...

Sakuraシャードが誕生しました。

↑はSakuraシャード トランメルのベスパー北口から出て東にいった所です。

ハサミ、左上の胴鎧はMr.Crowさんの銘がはいっており、

靴にはLiliumさん(詳細不明)の銘、

腕鎧にはIrugeMaMaさん(詳細不明)の銘が入っています。

こうして「平和祈願碑建設計画」のサイドストーリーとしてSakuraシャードは誕生しました。

 

UO公式サイト、BNN(http://town.jp.uo.com/bnn/)より転載 EA様ごめんなさい
※ この色の文章は当サイトで書き加えたものです。

Sakura

前半は、なぞの人物であるSakuraさんの正体についてです。
サクラ(Sakura)はブナの林に奇妙な光る物を見つけた。激しい胸騒ぎがした。それが奇妙な物体ではなく、良く知っている物だったからだ。

「ムーンゲート・・・」ムーンゲートがここにある事の意味は、彼女には明らかだった。

「ママ?」

「ごめんなさい、ママちょっと用事があるの。先にパパの所に行っててくれる?」

「うん!ママも早くね!」笑顔で応え、見送ったサクラの顔は蒼白だった。サクラはムーンゲートに近づき、その向うへと一歩踏み出した。

 



「やあ・・・」男はばつが悪そうに声をかけた。

「本当にすまないと思っている。君は今はもう家族を持っている身だし、十分ソーサリアに身を捧げてきた。それに・・・」表情を変えず、自分を見つめるサクラを見て、大きくため息をついた。

「君に言い訳をしても仕方がない事だったな。これを見て欲しい」男はバッグから水晶を取り出した。

「これは・・・」それは水晶の破片だった。3つの破片が癒着しかけており、その間にもう一つの水晶ができあがりつつある様だった。
「3つの破片」とはWakoku、Izumo、Mizuhoの3シャード と思われます。ソーサリア世界は元は1つの「宝珠」であり、“外側”からそれに関わっていた人たちがいます。ロードブリティッシュ王もその一人でした。
一番最後に登場するシーンも“外側”なのでしょうね。


「そうだ。破片だ。3つの破片がお互いに結合しかけている。しかも信じられない事だが、その間にもう一つ破片が形成されかけている」
第8世界Sakuraシャードの生まれる瞬間ですね。

「あり得ないわ。砕いた時にその力も粉砕されたはず。自ら再生する事なんて・・・」

「私もそう思う。だが、破片は結合され、生成されようとしている。どうにか阻止しなければならない。最低でも結合だけは防がなければ」

サクラの顔は人形の様に白く、青ざめていた。破片に落としていた視線を男に戻した。男も顔色を失い、表情も窺う事ができなかった。二人の視線が合った時、男は言った。

「行ってもらえるか?」サクラも驚いた様子はなかった。

男の顔はいよいよ蒼白になっていた。視線は4つの水晶へと向けられていた。

 


ここで登場するフィニガン市長(ブリタニアの市長)はどのシャードの人物なのかわかりません。
全てのシャードは平行世界になっているのでフィニガンもいっぱいいます... なんだかなぁ(汗)
少なくとも、Wakokuのフィニガン市長はクリフォード市長に棺おけ送りにされた可能性があります。

「入りたまえ!」男は元気良く階下の声に応えた。

「失礼します市長。ちょっとご報告申し上げたい事が・・・」

「なんなりと言いたまえ。祈願碑兼醸造所の出来がすばらしく、私はもういつでも上機嫌だよ!ただ、建設地の地割れだけが少々心配の種ではあるが」

「そう、その地割れの事なのです、フィニガン(Finnigan)市長。突然地割れが消えてしまいました」フィニガンは立ち上がり言った。

「ほう!割れた地面が閉じるとは尋常ではありませんな!一体なにがあったのですか?」

男は頭を掻いて言った。

「それが・・・よく分からないのです。現場を視察に行くと、地割れが影も形もなくなっており、そこに桜の木が一本生えていました」フィニガンは男に背を向けた。

「奇妙。奇妙ですねそれは。何か見えざる力が働いたかの様な、何とも言えない奇怪さを感じますね」

男は本に書き留める準備をしながら尋ねた。

「調査団を編成なさいますか?」背を向けたままフィニガンは言った。

「そうですね・・・調査官を一人と助手を一人」

「・・・調査官と助手一人、ですか?」

「はい。二人で結構です。どうも私にはもはや何も手がかりが得られない様な、すばらしくも悲しい様な予感がするのです」

少し間をおいて、男が応えた。

「かしこまりました。すぐに手配いたします。あ、それともう一つ、スカラ・ブレイのクリフォード(Clifford)代表が行方不明との事です」

「卓越したレンジャーが行方不明とは。奇妙な事は続くものですね。必要であればいつでも捜査に協力するとスカラ・ブレイに連絡しておいて下さい」

 


男は岩に座っていた。いつから座っていたか、彼自身すぐには思い出せなかった。日が昇るのを7度までは数えていたが、その後はよく分からなくなっていた。不意に男は顔を上げた。遠くから羊の鳴き声が聞こえた。牧童が羊を追いながら、彼の前にさしかかった。

「旦那、随分深刻そうな顔をしてなさるが、追い剥ぎにでも会いなすったか?」男はぼんやりと牧童を見つめていたが、思い出した様に口を開いた。

「人を待っているんです」再び口を開くのに随分時間がかかった。

「どうしても会って、連れ帰らなければならないんです」

「はあ、待ち人ですか。もう随分経ちますか」男はまた応えるのに時間を要した。男の答えを聞いて牧童は鼻白み、男の膝に手を置いて話した。

「旦那、そのお方にはきっと事情がありなすったんだと思いますよ。一度お帰りなさい。旦那がどうにかなっちまう。なに、その方ともまたすぐ会えますよ」

ぽんと男の膝を叩き、酒を渡して牧童は歩いていった。牧童と羊の群れが道の向うに遠ざかり、小さくなって遂には消えても、男は動こうとしなかった。男はバッグの口を開いた。そこには4つの水晶の破片があった。4つともばらばらに、バッグの中に転がっていた。随分長い間、男は水晶を見つめていた。男は口を開いた。

「破片は守られた。彼の地に同じ名を持つ木を植えて、水晶にも名を残し、再び会う時まで君の記憶を残そう」

その直後男の姿は消えていた。水晶は後に発見されている。その水晶は誰ともなく名付けられ、今ではSakuraと呼ばれている。
水晶とはソーサリアの「かけら」のことですので、つまりシャードのことです。

 

後記: 2005/09/17
掲載から2年以上も経過してしまいましたが、記事に誤りがあるとの
指摘をうけて調べ直しました。
以前は「フィニガン市長がダスタードで倒された」となっていましたが、
正しくは「クリフォード市長」でした。修正及び、一部加筆しました。
お詫び致します。

後記: 2008/10/24
桜の木の根元にあるアイテムの製作者であるCrow さんから連絡を
頂きました。Crow さんがこのイベントに参加されたのはWakokuでは
なくIzumoであるとのことでしたので、記事を修正させて頂きました。
ご連絡ありがとうございました m(__)m

 

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